イクってどういう感覚?オーガズムの定義と絶頂に達する方法

オーガズムの種類や、より強く感じる方法を専門家が解説!

えみこ
えみこ

必ずしもゴールにする必要はないものの、人によっては満足度の高いセックスの決定要因にもなりえる「オーガズム」。一方で、オーガズムギャップという言葉を目にする機会が増えたように、性交中にオーガズムに達したことがなかったり、そもそも“イク”という感覚がいまいち分からないという女性や女性器を持つ人も少なくありません。

実はオーガズムにはいくつもの種類があり、一般的にポルノなどで描写されるような反応でなくても、無意識のうちにすでに経験している人は少なくないんだとか。

そもそもオーガズムとは一体どんな状態を指すのか、その定義や種類、絶頂を迎えているサインなどを専門家の意見を交えて紹介した記事を見つけたのでご紹介します。

オーガズムの定義

オーガズムの定義は人それぞれですが、イギリスの国民医療サービス(NHS)は「性行為中に起きる強い性的快感のこと」と説明しています。また、医学的には「強い快楽による体の変化」を意味するそう。

「脈拍数や血圧の上昇、骨盤筋のけいれん、膣や尿道の収縮などの反応が例に挙げられます」と説明するのは、産婦人科医のジェシカ・シェパード先生。

オーガズムは、性器への物理的な刺激のほか、心理的な興奮によって引き起こされることもあるとのこと。いずれにせよ、絶頂に達すると脳内でドーパミン、オキシトシン、プロラクチンなどの通称「幸せホルモン」が分泌され、精神的にも最高潮の状態になりやすいんだとか。

性神経科学の研究者であるニコール・プラウーズ博士も、オーガズムの定義について次のように説明しています。

「オーガズムとは8回から12回ほど起こる筋の収縮です。最初の2回は約0.8秒の間隔で起こり、徐々に間隔があいていきます。女性器を持つ人の場合、この収縮は骨盤で起きてヴァギナあるいは肛門で感知されます。一方で男性器を持つ人の場合には、収縮は肛門でのみ感じられると言えます」
この収縮が尿を出すときの原理に近いため、オーガズムの感じ方は人によるものの、「おしっこ」をするときの感覚に似ているという人も多いと言います。

イクってどういう感覚

オーガズムについてわかっていること

ここからは、オーガズムにまつわる豆知識を専門家が解説します。

人によって感じ方が違う

オーガズムの一般的な反応は上述の通りであるものの、「ASTROGLIDE」の科学者であるジェス・オライリー先生は、「科学的には、誰一人として全く同じ感覚の人はいない」と指摘。

また、人によってはオーガズムを全く得られない人も存在するとのこと。

「そもそもオーガズムが全く得られなかったり、性的興奮はあるけれど満足度の高いものが得られなかったりする人も存在することを把握しておきましょう」
覚えておきたいのは、セックスにおいて必ずしも「オーガズム」がゴールではないということ。セックスセラピストのレイチェル・スミス先生も、「充実した性生活にオーガズムは必要不可欠ではないことが、複数の研究で証明されています」と話しています。

オーガズムは必ず最後に感じるわけじゃない?

性的な行為をしていると、刺激された部分が充血して、より敏感になっていきます。「オーガズムは最後に訪れるものとされがちですが、他の色々な部位で快感を感じているとき、同時に始まっているものだと思われます」と、プラウーズ博士。

「セックスの終盤には、収縮によって、充血していた血液が性器の外に押し戻されていきます。つまり、オーガズムはセックスの終盤より前に訪れていて、オーガズム自体は、いちばんの快感をもたらす脳内物質の分泌と同義ではないのです

性器に触れずにオーガズムに達する方法

オーガズムが何をきっかけに起こるのかはまだ研究段階で、諸説あるといます。その中で、プラウーズ博士の見解は次の通り。

「私が支持しているのは、オーガズムは発作のようなものによって引き起こされるのではないかという説。たくさんのニューロン(神経細胞)が一斉に興奮し、反射作用としてオーガズムを誘うというものです。この説によればオーガズムは反射作用なので、発作的に起きる“くしゃみ”のように、一度収縮が始まってからは止めることができないのです。一般的に、たくさんのニューロンが一斉に興奮することで発作が起きると考えられています。ただ、こうした発作には危険も伴いますから、脳は通常、その状態にならないように制御しようとするのです」

一方でオーガズムにはいくつかの種類があり、上述の通り、性器への物理的な刺激のほか、心理的な興奮によって引き起こされることもあります。「オーガズムは性器ではなく、脳で感じます」と語るミンツ先生によると、性器に触れずにオーガズムに達する方法は以下の通り。

妄想中

自分にとって性的な刺激がある状況を妄想し、心理的な興奮によって脳が最高潮に達することができます。

ワークアウト中

ランニングやヨガ、またはコアトレーニングの最中に絶頂を迎えること。このように、ワークアウト中に引き起こされるオーガズムを「コアガスム」と呼びます。

睡眠中

通称「夢イキ」と呼ばれる、睡眠中のオーガズム。メカニズムはまだ不透明ですが、性別問わず、すべての人が経験することが可能のよう。

スキンオーガズム

別名「フリッソン」と呼ばれるスキンオーガズムは、音楽やアートワーク、映画などで感動したときの「うずき」を差します。人にとっては、鳥肌や小さな震えのような反応があるそう。

乳首の刺激

「乳首が刺激されるとオキシトシンが放出され、性器に触れずにオーガズムを迎える可能性があります」と説明するのは、『Women’s Bodies, Women’s Wisdom』の著者であるクリスティ・ノースラップさん。

イクってどういう感覚

オーガズムを確かめる方法

シェパード先生いわく、自分がオーガズムに達したのかどうかを見極める、物理的なサインがいくつかあるそう。最高潮に近づくとともに、心臓の鼓動や呼吸が速くなったり、乳首が勃起したり、性器周辺の血管が拡張したりするなどの反応が見受けられると言われています。

しかし、『The Pill Club』のチーフ・メディカル・オフィサーであるエイミー・ロスキンさんによると、人によって感じ方が違うように、状況によって反応が変わる可能性があるとのこと。

そのため、オーガズムを見極める方法の一つとして、性行為後の精神的な心地よさやパートナーとの親密度、心理的な満足感があるかどうかに注目することも推奨しています。

無意識のうちにオーガズムに達することは可能?

人によってオーガズムの感じ方は異なるため、なかには自分でも気づかないうちに絶頂に達していることもあるそう。ポルノやメディアによるオーガズムの描写は偏っている傾向にありますが、実際の反応は多岐にわたり、一概に判断することはできません。

オーガズムに達する方法

オーガズムに達したことがないと思っている人は、まずはそれに近しい満足感を一度体験してみましょう。

多くの専門家は、まずは自分に合ったセルフプレジャーを見つけて、自分が何を心地よく感じるのかを開拓する必要があると指摘。何に対して性的興奮を覚えるのかをパートナーに伝えられるようになると、より充実した性生活を送れるようになるはずです。

また、オーガズムに達することを頭から切り離し、今という瞬間を純粋に楽しむ練習にもなり、結果的に満足度の高い時間を過ごせるようになるそう。

より強くオーガズムに達する方法

Becoming Cliterate』の著者であるローリー・ミンツ先生によると、女性器を持つ人にとって、より強くオーガズムに達するにはクリトリスへの刺激が重要とのこと。

2017年に行われた、女性器を持つ人を対象とした研究よると、挿入のみでオーガズムを迎えた人はわずか18.4%にとどまったそう。また、36.6%が「オーガズムに達するにはクリトリスへの刺激が必要不可欠」、36%が「必要不可欠ではないけれど、クリトリスへの刺激があったほうがより強くオーガズムを感じることができる」と回答したんだとか。

この結果を踏まえて、ミンツ先生は性行為にセックストイを取り入れることを推奨しました。

「セックストイを使ってクリトリスと膣を同時に刺激することとで、オーガズムをより強く感じることができるかもしれません」

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